梶の木内科医院さま|「すべての世代に栄養の重要性を伝えたい」
自身の不調に真剣に向き合う患者に、オーソモレキュラー栄養療法で応える

はじめに
これまでの治療では解決が難しかった疾患や症状に対して、「オーソモレキュラー栄養療法」を新たなアプローチとして導入する医師が増えています。本記事では、栄養療法を実践する医療現場の声をお届けします。
今回は、栄養療法を積極的に導入している「梶の木内科医院」の梶 尚志先生に、株式会社MSSクリニック・サポート部の守屋 美恵子がお話を伺いました。栄養療法と出合い、それまでなかなか改善されなかった不調に対しての新たなアプローチ方法を得た梶先生。ご自身の経験、そして、目指す地域医療の未来について語っていただきました。詳しくは、ぜひ下記の本編をご覧ください。
1. 栄養療法との衝撃的な出合い
守屋: よろしくお願いいたします。さっそくですが、梶先生が栄養療法に取り組まれるようになったきっかけについて教えてください。
梶: 開業して10年ほど経った頃、通常の保険診療ではなかなか改善しない患者さんが増えてきたんです。「検査では異常がない」、「薬を出しても変わらない」、「でも調子が悪い」という患者さんが多くて。なぜだろうと悩んでいたときに、知人の先生に誘われて「分子整合栄養医学(オーソモレキュラー栄養療法) 」のセミナーに参加したんです。
名古屋で行われた溝口 徹先生(みぞぐちクリニック)の講義を受けた瞬間、自分の頭に、「なぜ改善しないんだろう」と悩んでいた患者さんたちの顔が一斉に浮かんできて、「これだ……!」と。
血液検査データの読み方と言いますか、根本的な見方がまったく違っていて、大きなカルチャーショックを受けましたね。そこから本格的に栄養療法を学び始め、御社(MSS)のサポートも受けながら実践を始めました。

2. 栄養療法は「真剣に取り組む患者さん」だけに
守屋: 現在の診療では、どのように栄養療法を実践されているのでしょうか。
梶: 栄養療法の実践当初は、保険診療でうまくいかない患者さんに「血液検査をしてみませんか?」と提案し、そこから栄養療法の案内をしていました。うまくいかないのは心療内科的なケースも多く、不安障害や軽度のうつ症状の方、薬をやめたいという方に対して、代替手段として紹介していたんですね。
ですが、提案を続けていくと、真剣に取り組む患者さんとそうでない患者さんとでは、変化に大きな違いが現れることがわかったんです。
そこで、中途半端な取り組みではなかなか結果が出ないので、今は「自由診療(自費診療)」としてしっかり線引きをし、「栄養療法は真剣に取り組む患者さんにだけ提案をする」という体制に変えました。
栄養素の補充も、必要な栄養素を一度にすべて補うのではなく、血液検査の結果を踏まえて、患者さんの主訴に合わせて、優先順位をつけて提案しています。提案した後は、1カ月後、3カ月後と定期的にフォローし、必要があればアプローチ方法や補充する栄養素の内容を調整するという流れになっています。
3. こどもの患者さんの改善が、ご家族全員の改善に
守屋: 実際に栄養療法に取り組まれた患者さんからは、どのような反応がありましたか。
梶: お子さんを連れてこられたお母さんからの反応は、特に大きいですね。例えば、学校で授業に集中することができなかったお子さんが、栄養を補い始めてからテストで満点を取れるようになったり、以前はあまり話さなかったのに、急に会話が増えたり。お子さんの悩みが改善して、お母さんが喜ぶ姿を見ると、こちらまで嬉しくなりますね。
それから、栄養療法を始めたお子さんの変化を見て、親御さんご自身も生活を見直すようになるケースも多いです。食事の見直しは特に、家族単位での変化が起きやすいですね。ご家族は同じものを食べることが多いですから。それは栄養療法の大きな魅力でもありますね。

4. スタッフさまと連携し、患者さんから「信頼」を獲得する
守屋: スタッフの方々は、どのように栄養療法に関わっておられるのでしょうか。
梶: 管理栄養士が医療クラークとして診察に同席して、私の説明を聞き、そのままカウンセリングに入るという流れを取っています。
また、栄養解析の結果は事前に共有し、カウンセラー(管理栄養士)にも栄養療法のアプローチの予測を立ててもらっています。その予測の答え合わせを私と一緒に行うことで、解析力も高めています。
それから、診察とカウンセリングで説明する内容にズレが生じないよう、院内の連携は徹底しています。これが医院への「信頼」につながると思っています。信頼関係の有無は、患者さんの継続率にも大きく関わってくるんです。
5. 「すべての世代に栄養の重要性を伝えたい」
守屋: 先生が今後、栄養療法で目指すのはどのようなことでしょうか。
梶: 私には、父が栄養失調から誤嚥性肺炎を繰り返し亡くなったという、苦い経験があります。「あの時、もっと栄養の大切さを知っていれば……」という、後悔もあります。だからこそ、「すべての世代に栄養の重要性を伝えたい」という思いが強いです。
現在は、消化器内科が専門の副院長や、歯科の先生と連携して、腸内や口腔環境を改善することを通じて「病気の予防」につなげる取り組みも始めています。将来的には、自由診療型のクリニックを通じて、地域の健康意識を底上げし、「医療保険に頼らずに済む社会」の実現に貢献したいと考えています。

栄養療法の導入をご検討中の医師の方へ
本記事を通じて、栄養療法が既存の診療では改善につながらなかった患者さまへの新たなアプローチ方法になり得ることを感じていただけたのではないでしょうか。
なかなか改善しない不調でお悩みの患者さまへの新たなアプローチとして、ぜひ栄養療法の導入をご検討ください。
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